『女帝 [エンペラー]』(The banquet ye yan) / チャン・ツィイー、ダニエル・ウー

監督 :
フォン・シャオガン
特に目立つ人たち :
チャン・ツィイー
ダニエル・ウー
ジョウ・シュン
おれが観たあらすじ :
ごくごく一般的な『ハムレット』のイメージ。

 あまりに疲れてて、ものっすげぇ眠かったけども、あとの映画が詰まってたもんで、主演のチャン・ツィイーに目覚めさせていただこうと思って観た映画。

『女帝 [エンペラー]』観賞履歴 & 感想のまとめ。

  1. 第1回目観賞 :
    『江頭2:50のピーピーピーするぞ!』で、『ライラの冒険』に吐いた江頭さんの感想に同じ。

 ん~……
 そうねぇ~……

 つまんね。

 いやはや、おれが愛してやまないチャン・ツィイーをメインに引っ張ってきただけに、ここぞとばかりの辛口でいかせていただく。

 しょうもな。

 おれが心の底から、本能としてその美を愛して愛してやまなすぎるチャン・ツィイーをセンターステージに連れてきたばっかりに、思いの丈をありのままにぶちまけさせていただく。


 また映像美……またまた映像美……ただただ映像美。
 単にそれだけの映画。
 中国映画の予告編でもう飽きるほど聞かされてる映画。
 “ 制作費 XX億ドル!! ” っていうジャンルにすぎないな。
 ダリぃよ、もう。

 そしてなにより、主演のチャン・ツィイーに助けられた映画と言っても過言じゃない。助演あたりにダニエル・ウーだろ?
 おれの好きな人ばっかりなんだな、これが。
 でも実際に観終わってみれば、あらびっくり ──── “ だから観た ” っていうだけになってしまったな。
 また予告編に騙された。
 まあ、チャン・ツィイーとダニエル・ウーだし、騙され覚悟で観たわけだけど、ここまでひどいとねぇ~……

 いやぁ~、チャン・ツィイーの映画だし、一生懸命演じてくれてさ? それでプリティーでキュートでキュンとくるほどキュッと締まった裸体まで出してくれてるから、こんなこと言いたかないんだけどもさぁ~……

 お金を返していただきたい。

 ぶっちゃけ、チャン・ツィイーとダニエル・ウーのスライド・ショーだけで充分だな。
 でも、韓流ファンでペさんのポストカードとかを、見境なく貪り食う ──── いやいや、買い漁るおばちゃんたちとはわけ違うからな。
 映画とか写真とかでチャン・ツィイーとかダニエル・ウーを見れるってだけでキャーキャー言えるわけじゃねぇのよ。


シェイクスピアの『ハムレット』に大胆な脚色を加え……

 そこがもういただけねぇよ。
 『ハムレット』の脚色なんてもうだれもがやってるわけだし、中国映画じゃ、そういうシナリオなんて吐いて捨てるほど出腐ってる。
 これなら、もうほとんどシナリオなんて存在してないような大昔のジャッキー映画のほうが、まだマシだ。
 なにが “ 大胆な脚色 ” だ?
 完全にただのパクりだろう。脚色ってより、ただ登場人物の肩書き変えただけだろ? ちょっとヒゲ生やして、ムダにキャタピラ着させただけじゃね? あと、あまりにも美しい着物か?
 つまんねぇし、しょうもねぇ。


 さらに言ってしまうと、映像美たって、そんなにそんなに美しいってほどじゃない。
 豪華な宮殿とかのセットぐらいじゃないかな。

豪華絢爛

 そう!! そのとおり!!
 豪華絢爛!! ただそれだけ!!
 ムダにお金かけてるとしか映らない。

 美術と衣装は、たしかにかなり美しいと思う。それにチャン・ツィイーときてる。
 そんなのあれぐらいの映り方して当然だ。
 おれの大好きな青竹のシーンだって、なんでか知らんがそこにドバーッと生えてるだけって感じで、青竹な必要もない。中国の雰囲気だしたいだけっていう雰囲気しかなかった。
 青竹の美しさが引き立つシーンでもないし、青竹のしなやかさを活かしたアクションがあるわけでもない。単に敵が隠れやすいっていうだけだろうし、実際には水から飛び出したシーンのほうが美しかった。
 あ、ん?
 ひょっとすると、この映画って “ 雰囲気 ” を楽しむ映画なのかな?

 ……正直、映画的には感想すら書く気もしない。


 でもね?

 チャン・ツィイーなのォ ──────── !!!!
 で、でっけぇお風呂に飛び込むまでのうしろ姿だけなんだけど、チャン・ツィイーのお尻が見れるのォ ──────── !!!!
 お胸の谷間もアップで見れるのォ ──────── !!!!

 まあ、だからなんだってことはない。
 強いて言うなら、そこに手を突っ込んだヒゲジジイ……本気で生まれて初めてぶん殴ってやりたかった。

 んだども、チャン・ツィイーは、やっぱり美しい。極めて美しい。
 中国映画の “ 映像美 ” たぁ、ジャンルでいってもこの人の存在である。

 いや、素朴よ? チャン・ツィイーってさ、なんだかんだでお顔立ちとかスタイルだって素朴で、あんまり目立たない感じなのよ?
 たぶん、そのへん歩いてても、実際にはおれ、気づかないんじゃねぇかとすら思う。

 でもね?
 そっから放たれるオーラっつーか、眩きっつーか、輝きっつーのがすげぇんだな。
 眼力なんてねぇ。色気だって最近になってついてきたっていうぐらいだ。
 でもな、彼女は “ 特別 ” ──── スペシャル ──── な存在なのよ。
 いまだかつて、チャン・ツィイー以上にアジアンで可愛いと思った人は、一人としていない。

 ──── ん? 美しいとはまた別だよ?

 ダニエル・ウーも、やっぱしカッコぇぇ。
 いや、美しいな、あの人は。
 凛々しいよ。

 ってか、アクション監督ってユエン・ウーピンやってんの?
 ……どした? なんか冴えなくない?
 最近じゃもう、香港だけにとどまらず、ハリウッドでもどこでもあまりにいろんなとこに名前出すぎて疲れてたのかな?
 この事実はちょっと知らなきゃよかったかな……
 でも、すべてを受け止めるよ。そしてそのすべてを受け入れるよ、おれは。
 そんなときだってあるさ!! 気にすんなよな!!
 こういう映画じゃ “ 武術指導 ” って言わないんだね。


 とまあ、この映画じゃキャストの話で盛り上がるぐらいしかできないってのが現実。
 映像美を追究しても、たいしたもんじゃないし、ストーリーって言っても、『ハムレット』で扱われてる題材としたってイマイチ。
 人間のもっとも醜い感情として扱われる嫉妬や裏切り、欲望を表現したのかもしらんけど、なぜだか知らんがそれを美化してるような気さえする。
 悲劇として観る側に涙を流させれば、それは尊く美しいと勘違いするように、人の死というものが美談にされてる。
 大胆な脚色じゃなくて、ただのすり替えだよ。
 もしかしてこの映画の台本って、会話とかは多いけど、実はかなりうすっぺらいんじゃない?
 物語としての厚みがない。

憎しみにくちづけ、愛に刺しちがえる。

 だれが?
 予告編でもパッケージでも、すべてがチャン・ツィイー中心って感じだけど、復讐にしたって欲望にしたって、どれもこれもが中途半端なんだよねぇ~……
 シナリオに伏線はったつもりなのか、人間の心のグレイゾーンを表現したのか、見えてこないことが多すぎるな。
 でも、“ お面 ” に関してのチャン・ツィイーとダニエル・ウーのやりとりは好きだな。


 なにかなぁ~……悲劇好きな中国映画ってとこなのかなぁ~……

 疑問だけが残ったな、そういえば……

 最後のあれ、誰よ?

 帰ってきたのか? どう考えたって、それしかなくないか?
 物語のことを考えれば、実は死んでなかったなんて感じで、なんでもありな展開もなくはない気もするし、なにも映ってないしな。
 それがまた中途半端な感じで、ラストにしたってなんの余韻も引っ張ってない。感慨も映してない。考えさせられることもない。
 ひさびさに会った人とさんざん話したあとで、“ っつーか、だれ? ” っていうのと似た感じなぐらい虚しさが残る。


 ホンット、残念な映画。
 なにが、どこが、だれが “ エンペラー ” ……バカにすんじゃねぇ。放題ももうちょっと考えたほうがいいな。
 とりあえず、キャストのだれかに熱烈じゃなきゃ、観てもたいしておもしろくないな、これ。
 たいしたことしないワイヤーアクションもいらねぇし、チャン・ツィイーがどこにどんだけ執着してんのかの描写もないから、冒頭の場面もいらねぇし、ダニエル・ウーも結局なにに復讐してんのかわかんねぇし、ぶっちゃけ、この映画のほとんどが必要ないことばっかで構成されてるな。
 お金かけて築き上げたたいそうな宮殿と衣装、そのへんの美術からくる当然至極な映像美ぐらいだな。

 残念ながら、もしおれがこの映画に対していくつ星かっていう評価を求められたら、マイナス1。
 チャン・ツィイーにダニエル・ウーでおれの愛するキャストではあるけども、その人たちをこんな映画に引っ張ってきたっていうことが、逆にマイナスへと導く結果。
 このフォン・シャオガンって監督さん、これまたおれの愛してやまない男前 No.1 のアンディ・ラウを主演に引っ張ってきた『イノセントワールド - 天下無賊 -』でも監督と脚本を手がけてたけど、まま、そういやどっちも悲劇だな。
 たぶんそういうのが好きなのね。
 王監督と亀、合併させたような顔しやがって……

 観終わってあまりにも疑問と違和感が多すぎたから、すっげぇいろいろ自分なりに可能性を考えてみたけど、考えれば考えるだけイライラしてきたから、ただちに強制終了した次第であります。
 中国映画は大好きだけど、こういう映画は大嫌い。
 あとに残るは、凛々しき美しさのみよ。

 しかしなんでかねぇ~……
 感想なんて書く気もしないって言っておきながら、結局すっげぇ書いてんな。
 好きなことにはたいして言葉が続かないけど、人間てのは自分にとってマイナスに働くものに対しては言葉が止まらないんだろうな。
 だから人間どうしが一番手っ取り早くしかも、急接近するには、共通する愚痴を延々語り合うのが一番とは、よく言ったもんだ。
 そこがおれの『ハムレット』だ。


 って言ってもおれってば、実際シェイクスピアの『ハムレット』も読んでないんだけどね。
 ごめんね。
 そしてチャン・ツィイーとダニエル・ウーにも、ホントごめんね。
 あなたたちは、ここでおれがなにを言ってようと、今後もずっと応援してくから。
 好きだから。ホント、好きだから、大好きだから。


キャスト詳細情報

タイトル :
『 The Banquet 』(英題)
『 Ye yan 』(原題?)
『 The Empress 』
原作 :
ウィリアム・シェイクスピア (William Shakespeare) / 『ハムレット(Hamlet)』
監督 :
フォン・シャオガン (Xiaogang Feng)
アクション監督 :
ユエン・ウーピン (Woo-ping Yuen)
脚本 :
フォン・シャオガン (Xiaogang Feng)
撮影 :
レイモンド・ラム (Raymond Lam)
衣装デザイン :
ティミー・イップ (Timmy Yip)
美術 :
ティミー・イップ (Timmy Yip)
音楽 :
タン・ドゥン (Tan Dun)
出演 :
チャン・ツィイー (Ziyi Zhang) / ワン (Empress Wan)
ダニエル・ウー (Daniel Wu) / ウールアン (Prince Wu Luan)
グォ・ヨウ (You Ge) / リー (Emperor Li)
ジョウ・シュン (Xun Zhou) / チンニー (Qing Nu)
ホァン・シャオミン (Xiaoming Huang)
リー・ビンビン (Liu Yanbin)
マー・チンウー (Jingwu Ma)

※“ 原作 ” のところは、あえて『ハムレット』と入れさせていただいた。

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