『傷だらけの男たち』(傷城 / Confession of Pain) / トニー・レオン、金城武

監督 :
アンドリュー・ラウ
アラン・マック
特に目立つ人たち :
トニー・レオン
金城武
おれが観たあらすじ :
死と偶然。

 金城さんが大好きだから。

『傷だらけの男たち』観賞履歴 & 感想のまとめ。

  1. まるで、眠りかけの街をドライブする車窓の外を流れていく景色のよう。

 展開が読めまくりな上に、ミステリー的な要素の部分があまりに陳腐。
 サスペンスとしても、なんだかなぁ~といった風情。
 飽きる。

 ──── って、きっとそういうことじゃないんだろうな、この映画の見所ってさ。
 昔っからよくある “ 究極の選択 ” だとか、中国映画では “ 自己犠牲 ” より使い古された復讐ってやつから派生する核を訴えたいのかなと。

 ん~……とりあえず。
 金城さん、傷つきすぎ。チュートリアルさんたちの “ チリンチリン ” っていうネタの徳井さんみたい。
 それはまあ、なんか例え間違ってるような気がしないでもないけど、見た感じでは、なんとなく負った傷が浅く映る。
 お酒に逃げて、たいした知りもしない女を抱いて、入り浸って、転職して……
 そのへんの設定もなんかショボいな。

 トニー・レオン。
 この人はもう、ただただ雰囲気勝ち。
 言うことは特にない。


 しかしだ。
 やっぱし『インファナル・アフェア』シリーズの製作スタッフさんたちが作ったってだけあって、そのへんがこの映画の見所の核なんだろうと思うの。
 設定とか脚本とか、キャストうんぬんじゃない。
 なんかもう、映画全体としての雰囲気がもういい感じ。
 “ ノワール ” ってジャンルが好きってわけじゃないけど、男たち、いや、問わず、“ 心に傷を負った人間 ” っていうその姿がリアルさを超えたリアルさで描かれてるようなニュアンスがある。
 全体をただただ漂うようなまどろみと、明るさや快活さのすべてを失ってないなかにも浮かび上がるようなほの暗さっつーのか?
 真っ黒じゃない灰色のような闇がまた、なんとも言えない人間性のリアルをえぐり出してるかなと。

 たぶんね?
 たぶんだよ?
 なんかハリウッドでのリメイクされるらしいけど、こういうのって、ハリウッドじゃ無理だと思うわけ。
 ただ、レオ様かぁ~……
 ディカプリかぁ~……
 どうかなぁ~……
 年とってちょっと太ったら、逆により渋さと哀愁出ちゃった感あるからなぁ~。
 ちょっとよさげかも。
 観ないわけないけど、観たいってほどでもなく、ただ絶対観るよなぁ~。

 しかしながらこういう雰囲気って、やっぱ中国映画独特なんだと思うわけ。
 全体を包みこむ妙な暗さで、たいした内容もないのに、言葉とかしぐさとかに変な説得力が出る。
 愛する人が殺されて、復讐に燃えてたやつが、ふとしたことから復讐をやめて、その相手を許しただけのことも、なんかすっげぇ深いこと言ってそうな気持ちにさせられたりすることが多い。
 映像として画面にある “ 黒 ” のコントラストを強くして作ってるのか?
 中国語の響きも関係あるのかな。

 あのぉ~、まあ、主演二人の重たぁ~い絆が、観る人によっては衝撃を受けるのかもしれんな。
 おれとしては “ ふぅ~ん ” 程度だった。
 そうね、 “ 偶然好き ” にはいいかもしれない映画。

 金城さんとトニー・レオンの共演だから、どぉ~~~~~~しても観たかったのです。

 きっと、“ 街 ” という狭く限られた世界に渦巻く数多の “ 偶然 ” というなかにも “ 死 ” という必然が複雑にからまさって、人間それぞれが持つ “ 過去 ” っていう広い世界から、そこにいるあらゆる人間たちの上にのしかかってくることだってあるんだぞっていう虚構が打ち出す真実の提示なのかもしれまいに。
 平たく言うと、 “ あり得ないなんて、あり得ない ” っつーことか。

キャスト詳細情報

原題 :
『傷城』
『 Confession of Pain 』
『 Seung sing 』
『 Forlorn City 』
『 Shang cheng 』
監督 :
アンドリュー・ラウ (Andrew Lau)
アラン・マック (Alan Mak)
製作 :
アンドリュー・ラウ (Andrew Lau)
チョン・ホンタッ (Cheung Hong Tat)
脚本 :
フェリックス・チョン (Felix Chong)
アラン・マック (Alan Mak)
撮影監督 :
アンドリュー・ラウ (Andrew Lau)
ライ・イウファイ (Lai Yiu Fai)
音楽 :
チャン・クォンウィン (Chan Kwong Wing_
出演 :
トニー・レオン (Tony Leung Chiu Wai) / ラウ・チンヘイ (Detective Lau Ching Hei)
金城武 (Takeshi Kaneshiro) / ポン (Detective Yau Kin Bong)
スー・チー (Qi Shu) / フォン (Sai Fung)
シュー・ジンレイ (Jinglei Xu) / スクツァン (Susan Chow)
チャップマン・トー (Chapman To) / チョイ (Inspector Tsui Wing Kwong)
ユエ・ホア (Yue Hua) / チェウ (Chow Yuen Sing)
ヴィンセント・ワン (Vincent Wan) / マン (Uncle Man)
エム・ウォン (Emme Wong) / レイチェル (Rachel)

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