『クリスチャン・スレーター in レッド・イノセンス』(The good shepherd) / クリスチャン・スレーター

監督 :
ルーウィン・ウェブ
特に目立つ人たち :
クリスチャン・スレイター
モリー・パーカー
スティーヴン・レイ
おれが観たあらすじ :
アメリカ人が好きそうな美談。

 日曜日、返しに行くだけじゃなんか虚しいという変な強迫観念に駆られ、クリスチャン・スレーターっていうのと教会、神父の人殺しっていうテーマに惹かれて借りてきてしまった映画。
 何食わぬ顔で部屋の机の上に置かれてたのを、返却日になって思いだし、慌てて観た一本目。

『レッド・イノセンス』観賞履歴 & 感想のまとめ。

  1. 第1回目観賞 : 人の信じる心は人に向けられたものであり、人はいつも、人につくものである。

 とりあえず先に言っておくと、タイトルに主演とか監督の名前が入ってる映画は、だいたいがイマイチ。
 映画で、その物語のキャラクターたちの物語なのに、それを演じてる人、操ってる人の名前が入るのはおかしい。クレイジーだ。
 一体だれの物語なのか?
 そう、映画なのに “ それを彼には知る由もなかった ” って言ってるのと同じだ。宮部みゆきさんが小説のなかで、だれそれについて自分の意見を語りたがるのと同じ。
 そしてこの『レッド・イノセンス』も、“ まあまあだね ” っていう域を出なかった。

 まあまあまあまあ、予告編ではワクワクしたね。
 神父さんの、そして教会の人殺しときてる。欲望。隠蔽。思惑。秘密。金。才能。
 『ダ・ヴィンチ・コード』を読んでれば、わかる人にはそのワクワク感がわかるだろう。

 しかーし!!
 あっけなく終わりを迎えた。そして、さらに最悪なことに、その結末が読めてしまった。
 個人的には、船越さん登場の二時間ドラマな程度でしかなかった。断崖絶壁まで追いつめられて、ちょっと自嘲ぎみに笑いながらの自白っていう結末っていうほうが、まだマシだったような気さえする。
 いや、そこは日本の二時間ドラマのデキを褒めるべきなのか?
 定番で王道でも、人間の目を惹きつけさせる魅力がそこにあるのか?

 ん~……どうでもいい。
 『女帝』につづいて、こちらも本の厚みが足りないような気がするな。
 そのときそれなりに熱いテーマを持ち出してくるのはいいけど、たいしてアイディアもないんなら、お金を積みなさいよ、お金を ──── 『ロング・キス・グッドナイト』を見習え。
 “ 映画史上最高額の脚本!! ” と謳われ、おれもかなり期待過剰に観たけど、おもしろかった。かなり。当時では、マジで衝撃的なほどのデキだった。もう何回も観てる。
 本の厚みは、ベンジャミン・フランクリンの厚みでもあると言えるのではないかね?


 ……アハ、うっぴょ~ん。
 んなこたぁ~ねぇ。
 でも、そう言いたくなってしまう映画。
 せっかくキャストはいいのに、なんかもったい気がする。

 クリスチャン・スレーターは言うまでもない。
 またここでも、なにげなぁ~く熱い男を演じてたな。
 というより、最初はなんとなぁ~く、どことなぁ~く冷淡で覚めた感じなんだけど、なにかのきっかけで徐々に変わっていくっていう役が多いかな。
 それがまたうまいのな。
 声もまたすっげぇ特徴あるから声優さんでもイケるとは思うけど、やっぱりおれとしては映画に出てほしい。
 って、なんのメッセージだ? だれが映画引退宣言なんてしてんだ?
 クリスチャン・スレーターは、本当に言うまでもなく、素晴らしい俳優さんだ。

 そう、そうなのよ。
 おれが言いたいのは、スティーヴン・レイって人。
 この人、かなりいい味出してると思うの。脇役が多いけど、それだけ主演の脇をがっちり固める。それでいて、マジメな神父さんとか教授からイカレ、はたまたヘタレなダメ亭主まで、演技の幅も広い。
 と思ふ。
 そこまで好きってわけではないけど、おれ、この人、好き。

 だから、嗚呼……もったいない!!
 教会関係で人殺しも扱うんなら、もっと悪魔付きでも憑き物でもなんでも引っ張ってくればよかったんだよねぇ~。もっともっと凄惨な殺人現場にしてさぁ~。
 で、教会関係者だからこそ最後に、“ もっとも恐ろしい悪魔は、人間の心の闇に潜むのである ” ってしめれば、だいたいはうまくおさまるってなもんでしょ。一般的にも広く知れ渡ってる格言だしさ。
 っつーか、そのための教会でしょ?


 この映画を観てて、真に感じたのは、やっぱり教会に神はいないってこと。
 おっとー、バチコーンって天から矢でも降ってきそうな発言だったかな。
 かなり主観かつ規模がデカいので、非表示にしとく。読みたければ、“ 【全開】 ” をクリック。

 【全開

 結局のところ、人は人につく。
 その教会にいるかもしれない神、その教会が奉ってる紙じゃなく、その教会を運営してる神父さんについてるだけのこと。

 つまり、この映画にしても、この物語のなかに “ クリスチャン・スレーターがインしてる ” ってだけのこと。
 まあまあだな。

 まあまあ、原題の 'THE GOOD SHEPHERD' の SHEPHERD は、あくまで “ 羊飼い ” っていう意味だしね。
 相変わらず邦題も見なおさないとね…… “ 血塗られた純真 ” っていう意訳になるのかな? “ 過激な純潔 ” なのか?
 “ おれが観る邦題 ” っていうコーナーでも作ろうかな……

第一回 : 『神にそそぐ血』

 ──── 思いっきり名前負け。

 まあまあ、おれが思い描く “ GOOD SHEPHERD ” は、“ 羊たちとともに生きて帰ること ” かな。
 まあまあ、そのへんの考え方の違いも感想に反映されてしまったかなと。


キャスト詳細情報

タイトル :
『 The Good Shepherd 』
監督 :
ルーウィン・ウェブ (Lewin Webb)
製作 :
ジョン・フロック (John Flock)
製作総指揮 :
ジョン・フロック (John Flock)
クリストファー・ランバート (Christopher Lambert)
脚本 :
ブラッド・マーマン (Brad Mirman)
撮影 :
カーティス・ピーターセン (Curtis Petersen)
出演 :
クリスチャン・スレーター (Christian Slater) / ダニエル・クレメンス (Daniel Clemens)
モリー・パーカー (Molly Parker) / マデリン・フィニー (Madeline Finney)
スティーヴン・レイ (Stephen Rea) / マククラン(McCaran)
ゴードン・ピンセント (Gordon Pinsent) / 枢機卿 (Cardinal Ledesna)
ナンシー・ビーティ (Nancy Beatty) / ルーシー・ギャラガー (Lucy Gallagher)
ダニエル・カッシュ (Daniel Kash) / ジェフリー・アルトマン (Jeffrey Altman)

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