『主人公は僕だった』 (Stranger than fiction) / ウィル・フェレル、ダスティン・ホフマン

監督 :
マーク・フォースター
特に目立つ人たち :
ウィル・フェレル
エマ・トンプソン
ダスティン・ホフマン
おれが観たあらすじ :
僕が主人公の物語。

 本日、二本目。

『主人公は僕だった』観賞履歴 & 感想のまとめ。

  1. 第1回目観賞 : 二度は観ないな。

 ん~……

 普通に楽しめた。
 うん、楽しめた。

 ん~……それ以上、なにを書けと?


 小説として書かれたものが実際に起こるっていうシナリオは、たしかにそう、もうけっこうありふれてる。ホラーとかスリラーなんかによく出てくる。
 で、頭おかしくなってガンガン殺していっちゃうみたいなな。

 ただ、これは同時進行だったのがおもしろかったな。
 おれがこの上なく愛しまくっちゃってるジム・キャリー主演の『トゥルー・マンショー』とはまた違ってるけど、似たような感じのリアルタイム。
 そして、主人公も、その事実を知っている。むしろ、書き手のほうが知らないという事実。
 ん~、なかなか斬新じゃないですか。
 たいへんけっこう。

 でまた、ダスティン・ホフマンがいい役どころでうまい具合に出てきますな!!
 文学の専門家で文学のナンダカ理論だかの教授でけっこうな有名どころなのか、とてつもなく鋭い観察眼を発揮されてる。絞込みの質問はすっげぇおもしろかった。

 かといって、パッケージと予告編から、もっとお笑いな展開なのかと思いきや、そうでもない。
 文学の小難しい解説もあり、ほろりとこさせるようなシーンあり、失笑を買うようなやりとりもあり、かと思えば、すっげぇ哲学的な問答もあったりした。
 すっげぇアンバランスな感じだったけど、それがまた絶妙なアシンメトリーで、対照的なおもしろさになってた。
 自分で言ってて意味わかんねぇけど、そんな感じ。
 達観したような人間と、今現在をひたむきに生きようとする人間のやりとりって、こんなにもエンターテイメントなの?

 頭のおかしな作家と、そこにいるアシスタントのなんと冷静なこと。ものっすごい一般的な視線の持ち主で……恐怖すら感じた。
 あんなのと一緒にいたら、おれならたぶん『死ねブタ』っていうタイトルつけちゃうかもしらん。

 ただ、ちょっと残念な点は、主演のウィル・フェレルがイマイチ中途半端だったところかな。
 もっと几帳面な感じのする人のほうが映えたんじゃないか?
 でもやっぱ、見た目も内面もこれぐらい中途半端なほうがいいのかな。

 ダスティン・ホフマンは、いかんともしがたい感じで、強烈でもないけど薄くもない。
 まあ、いつもどおり。ホッとするっていう感じ。

 で、物書きの人 ──── エマ・トンプソン。
 あんまり好きな女優さんではないけども、いやぁ~、強烈。
 ん~、わかる。わかるよ、あのイメージ ──── 高層ビルから飛び降りたときの感覚を味わってみたいとか、今すぐ確実に死ぬ人が見たいとか ──── 実際、学校の体育館の屋根にのぼって試してみたことある。
 飛び降りる根性はなかったけども、怖い。ん~、怖い。だけど、気持ちいい。
 高いとこに昇ると、足もと見れば足がすくんでしまうけども、やっぱりそっからは遠くを眺めてしまうわけで、それがなんとも気持ちがいい。“ 風を感じるんだろうな ” って言ってたけど、いやいや、自分が塵になれるのです。
 思わず目を背けたくなるようなことに、じっと目を凝らしてみると、これがなかなかイマジネーション。
 頭おかしくなるか感極まるか、どっちか。

 ん~……まさにそんな映画。
 退屈とおもしろさのはざまでぷかぷか浮いてあるような作品。
 ん~ん、我ながらアッパレな感想だな。


 んでもって、今カキーンときた。
 思いだした!! 思いだしたよ!!
 そうね、そうだよね。そうなんだよね!!

 さっきの登場人物についてチラッと書いたところでは名前の出てこなかったアナ・パスカル役の マギー・ギレンホール。
 ギレンホール……ギレンホール……ギレンホールだよ。
 ほら、ギレンホールなのよ!!
 あの “ ゲロあま ” を生んでくれたジェイク・ギレンホールと同じ名前なのよ!!
 “ ギレンホール ” なんてそうそういない名前でしょ?
 実際お姉さんなんだって。似てなくはないかなと。
 つまり、『ドニー・ダーコ』では、実の姉弟が共演したということになるわけだ。
 おもしれぇ……おもしれぇよ、この事実……

 でもォ~……この映画の登場人物として名前が出てこなかったのはァ~……
 やっぱりおれ、あのほっぺたに肉がついて垂れ下がったような顔がダメ。受けつけないの。ブルドックにしか見えないの、もう。
 おれ、ダメなの、あのほっぺた。たいへん醜いの。
 ブルドックとブタはダメなの。


文学史に残るような名作ではないけども、まあまあの出来といったところでしょうか

 まさに!!
 まま、そのまんまの展開でいってても、やっぱり映画かなと思うけど、文学ってこういうもんなの?
 あれで “ 文学史に残るような名作 ” になれるの?
 なれないでしょ。
 むしろ、この映画のまんまのほうが歴史に残ると思うよ、おれは。
 まあ、最後のまとめというか、独白みたいな部分の言葉は、すっげぇすっげぇ陳腐だったけども、主人公が自分である物語には、そういうことが多々あって、その積み重ねに幸せだとか悲しみだとかが見つかるのかなと。

 たぶん泣けない。

 まあ、個人的には、“ 物書き ” をあんなふうに描写されるのはちょっと悲しかったかなと。
 やっぱり書く人って、一般的にはちょっと頭のおかしな人っていうイメージあんのかなぁ~……
 切ねぇなぁ~……
 でも、どことなく同じ人種としては、なんとなく勉強になったような気もします。

 スカッとそんなにおもしろかったかって訊かれたら、“ いや、そうでもないよ ” って答えちゃうと思う。
 かといって、つまんなかったかって訊かれても、きっと同じ答えをするだろう。
 そんな映画は、きっとそこがいいんだと思った今日この頃のおれ。

 ハート・ウォーミング。


キャスト詳細情報

原題 :
『 Stranger Than Fiction 』
監督 :
マーク・フォースター (Marc Forster)
製作 :
リンゼイ・ドーラン (Lindsay Doran)
製作総指揮 :
ジョセフ・ドレイク (Joseph Drake)
ネイサン・カヘイン (Nathan Kahane)
エリック・コペロフ (Eric Kopeloff)
脚本 :
ザック・ヘルム (Zach Helm)
撮影 :
ロベルト・シェイファー (Roberto Schaefer)
衣装デザイン :
フランク・フレミング (Frank L. Fleming)
編集 :
マット・チェシー (Matt Chesse)
音楽 :
ブリット・ダニエル (Britt Daniel)
ブライアン・レイツェル (Brian Reitzell)
出演 :
ウィル・フェレル (Will Ferrell) / ハロルド・クリック (Harold Crick)
エマ・トンプソン (Emma Thompson) / カレン・アイフル (Karen Eiffel)
ダスティン・ホフマン (Dustin Hoffman) / ジュールズ・ヒルバート (Professor Jules Hilbert)
クイーン・ラティファ (Queen Latifah) / ペニー・エッシャー (Penny Escher)
マギー・ギレンホール (Maggie Gyllenhaal) / アナ・パスカル (Ana Pascal)
リンダ・ハント (Linda Hunt)
トニー・ヘイル (Tony Hale)
クリスティン・チェノウェス (Kristin Chenoweth)
トム・ハルス (Tom Hulce)

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