『トゥモロー・ワールド』(Children of Men) / クライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア

監督 :
アルフォンソ・キュアロン
特に目立つ人たち :
クライヴ・オーウェン
ジュリアン・ムーア
ジョイ・リチャードソン
おれが観たあらすじ :
最後の子供が生まれてから何年か経った世界は無秩序と化し、それを正そうする集団が反政府組織 “ FISH ” と呼ばれていた近未来。記者である主人公の元妻が率いるその組織は “ ヒューマン・プロジェクト ” という計画に加担していることを知るが、求められた協力をつっぱねる。だが、しかし、そこへ妊娠してお腹を大きくしている少女が現れたのを目の当たりにした主人公は……という物語。

 ≪ゲオ≫でランキング2位だったから。

『トゥモロー・ワールド』観賞履歴 & 感想のまとめ。

  1. ファンタジーはやっぱ嫌い。

 やっぱしおれ、SF は嫌いだな。
 んで、どうも設定からなにから、あまりにもファンタジーすぎる。

人間が生殖機能を失う……

 ──── んなことあるかい?
 どう考えたってないだろう。
 男女共存の生殖機能で、いや、その機能だけといってもいいぐらい、それでこの世界が動いてるってのに、それを全人類が失うなんてあるかよ。
 種なしとか不妊とかはあるけども、その機能自体が失われるなんざぁ~、ありゃしねぇ。
 あぁ~、ありゃしねぇ。

 ダイオキシンとか環境因子で精子が減るだのヘッタクレだの、そんな説はたくさんあるけど、その裏側で人工爆発だの人口増が深刻化してるっていう現実もある。
 ファンタジーにしてもやりすぎ。

 そして、暗い!!
 もうね、戦争映画以上の暗さとすすけた感じが漂ってる。
 そういう演出かもしれんけど、あれじゃ “ 希望の光 ” も影になっちまうぜよ。


 まあねまあね、この映画が訴える “ 希望 ” っつーのが “ 子供 ” ってだけではないとも思う。
 その “ 希望 ” ってやつに、人類すべてがみな結束しようとか守り抜こうとか、希望を持つことの大切さとか、人間の強い団結が大事なんだよっていうもののほうが強く感じた。
 “ 秘密結社 ” っていうのも、なぜ秘密にしなきゃいけないのかっていうその理由のほうが問われてる。
 テロリストとは真逆の信念を見た。

 正義はだれが決めるのか。
 だれのための正義なのか。
 そして、なんのための正義なのか。

 善悪ではなく、その時代、その環境における全人類にとって、今なにが大切で、これからなにを大切に思っていくべきかが大きな基準になって人間が行動を起こしてる。
 両極の基準ではなく、たった一つの、それが “ 希望 ” になってた。

 善悪とか損得とか、今を生きる人にとってはさまざまな基準があるんだろうけど、でも、それが今は失われてるんだっていう大きな大きな問題提議がなされた映画ではないか思う。

 しかしなんでかねぇ~……
 こういうときだけは、なぜだか黒人さんが重宝される。
 いつまでもこんな扱いじゃ、問題起こしてるのも救えるのも黒人さんで、いずれにしても全部黒人さんのせいみたいな間違った感情が芽生えてしまうぜよ。
 いまだに “ アダムとイヴ ” の神話にとりつかれてるのか?
 人類初の母親は、黒人女性だったと?
 実際には、ラテン系の女性なんではないの?


 嗚呼、やっぱりおれはファンタジーって嫌いだな。
 エンディングもファンタジックなのがまたイヤ。
 こういう物語は本でやれ、本で。文学で。
 ──── って、原作の映画化みたいだね。こりゃ失敬。なら許す。
 売れたみたいだけど、映画化失敗のランキング入り。

 ジュリアン・ムーアがよかったぐらい。
 この『トゥモロー・ワールド』でも主人公の『インサイド・マン』とかにも出てて最近流行ってる感じの男の人、あんま魅力を感じない。なんかクサそうだ。
 それはそうと、なぜだか実名と同じ役名の人が多いような気がするんだが、それは演出のうちの一つなのか? たまたまか?

 おれが足繁く通いつめる近所の≪ゲオ≫で、ずっとランキングインしてて、その日はたまたま2位になってたから借りてみたけど……

 ...WHY?

キャスト詳細情報

原題 :
『 Children of Men 』
原作 :
P・D・ジェイムズ (P.D. James) : 『人類の子供たち』/『トゥモロー・ワールド』(早川書房刊) / “ The Children of Men ”
監督 :
アルフォンソ・キュアロン (Alfonso Cuarón)
製作 :
マーク・エイブラハム (Marc Abraham)
エリック・ニューマン (Eric Newman)
ヒラリー・ショー (Hilary Shor)
トニー・スミス (Tony Smith)
イアイン・スミス (Iain Smith)
製作総指揮 :
アーミアン・バーンスタイン (Armyan Bernstein)
トーマス・A・ブリス (Thomas A. Bliss)
脚本 :
アルフォンソ・キュアロン (Alfonso Cuarón)
ティモシー・J・セクストン (Timothy J. Sexton)
撮影 :
エマニュエル・ルベツキ (Emmanuel Lubezki)
衣装デザイン :
ジェイニー・ティーマイム (Jany Temime)
編集 :
アルフォンソ・キュアロン (Alfonso Cuarón)
アレックス・ロドリゲス (Alex Rodríguez)
音楽 :
ジョン・タヴナー (John Tavener)
出演 :
クライヴ・オーウェン (Clive Owen) / セオ・ファロン (Theo Faron)
ジュリアン・ムーア (Julianne Moore) / ジュリアン・テイラー (Julian)
ジョイ・リチャードソン (Joy Richardson) / ジョイ (Joy)
マイケル・ケイン (Michael Caine) / ジャスパー・パルマー (Jasper)
キウェテル・イジョフォー (Chiwetel Ejiofor) / ルーク (Luke)
チャーリー・ハナム (Charlie Hunnam) / パトリック (Patric)
クレア=ホープ・アシティ (Clare-Hope Ashitey) / キー (Kee)
パム・フェリス (Pam Ferris) / ミリアム (Miriam)
ダニー・ヒューストン (Danny Huston) / ナイジェル (Nigel)
ピーター・ミュラン (Peter Mullan) / シド (Syd)
ワーナ・ペリーア (Oana Pellea)
ポール・シャーマ (Paul Sharma)
ジャセック・コーマン (Jacek Koman)

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