『サンキュー・スモーキング』(thank you for smoking) / アーロン・エッカート

監督 :
ジェイソン・ライトマン
特に目立つ人たち :
アーロン・エッカート / ニック・ネイラー
キャメロン・ブライト / ジョーイ・ネイラー
ケイティ・ホームズ / ヘザー・ホロウェイ
ウィリアム・H・メイシー / フィニスター上院議員
J・K・シモンズ / BR
おれが観たあらすじ :
“ 仕事にはなにを掲げて挑むのか ” っていう 100% 現実が、とびきりのユーモアに変わって心に響いてくる ──── 1% か、それとも、99% か。

 なんか同じにおいを感じたな。
 あえて観終えたときの余韻をひと言で表現するなら、これっきゃない。

 ──── アッパレ。

『 サンキュー・スモーキング 』観賞履歴 & 感想のまとめ。

  1. 第1回目観賞 : おれも今んとこは、やっぱ “ 99% ” の口だな。

 いやぁ~、おもしろかった。
 映画がってわけじゃない。
 一番気持ちがいいのは、全部見終わったあとの余韻。
 その才能にちょっと憧れてる自分と、ちょっと嫉妬してる自分と、自分の人生に置き換えて考えてしまってる自分。
 なぜだか反省会みたいのが始まってた。

 ホント、人に対する “ 話術 ” って、こういうことを言うんだなと学んだ気がする。
 ものの見事にアッパレだ。
 で、その根拠もちゃんと納得できる。
 あくまで映画のなかだけで通用するっていう理論じゃなくて、実際に生きてて感じる感情への理由づけっていうのがすごい。それでいて臨機応変。頭の回転がすげぇ早い。
 なんかいろいろあったけど、やっぱ一番ガツンとやられたのは ──── “ 人を納得させるってのは、別に自分が納得する必要はない ” ──── ってこれ、まさに。
 たぶん実際には、それをやろうとすればするほど、自分との折り合いがつかなくなってってしまうもんだ。
 なんかもう頭よくある必要なんてねぇんだな。なんでもかんでも入っててもムダになる。
 必要なときに必要なことを、ピンポイントで、しかも的確なことを引っ張りだせればいいわけだ。それ以外はからっけつでもいいんだな。
 そのときなにが必要かを見極める肌がなにより重要なわけだ。
 グハッ、なんか勉強んなったぞ、おい。

 で、やっぱ常に笑いがまわりにある。
 そこがすごい。
 ジョークで笑いをかっさらって、皮肉でも笑いが起こって、失態のフォローでも人を笑わせる。
 笑わせるっていうことの大切さって、やっぱ、人間関係を築こうとする上で重要なことなんだなって感じさせられた。
 人を笑わせるのがうまい人ってのは、どっかで常に冷静な目を持って世界を見てんだなと。

 とにかく、対人のコミュニケーション術が、なんとなくこの映画を観ただけで、すっげぇ上達した気になれる。
 観る前と、観たあとじゃ、人を見る目さえ変化してしまったような感覚。
 必要なのは、自分の目線じゃない。その人、その状況に合った目線。
 そこに自分はいらないんだ。

 でまたこの主人公役のアーロン・エッカートさんが、すっげぇハマってんだな。
 観りゃわかる。一代前のジェームズ・ボンド役だったピアース・ブロスナンばりにハマッてる。
 一介のしゃべり屋。ただのサラリーマンでありながら、そこは世界の煙草業界。
 “ タバコ・ワン ” で空を自由に飛びまわるわけだ。あれには笑った。
 そこまで華があるわけでなくて、かといって存在感が薄いわけでもない。そこまで人の記憶に焼きつけられるわけじゃないけど、その言葉が人のなかに焼きつくわけだ。
 ナイス・キャスティング!!

 あと、フィニスター上院議員役のウィリアム・H・メイシー!!
 おれ、この人好きなんだよなぁ~……なんでかは、わからん。
 なんか好き。
 いろんな映画で脇役としてよくよく見かけるんだけども、すっげぇ存在感あると思う。
 主演でもいろいろあるな。
 でもなぜだか、脇役として出演してるときのほうが目立ってるような気ィするな。

 なんでだ?
 顔か? たたずまいか?
 さわやかで心優しい気のいいおじさんっていうのが第一印象。ちょっとねだったら怒られるけど、しつっこく甘えたら “ しょうがないな ” ってお小遣いくれそうな感じ。
 それでいて生真面目で役所顔。やっぱ基本的なイメージでは『ボビー』とか『 ER 』とか、この『サンキュー・スモーキング』だわな。

 でも、たしか『脳壊』だったかな?
 なんかすっげぇ素朴ななかにもディープリーでダークな一面が見え隠れすんだよなぁ~、この人。

 まま、なにはともあれ、こぉ~れはおもしろい!!
 勉強にもなる。学べることが多かった。
 みんなちょっと観たほうがいい。このちょっとした話術の理論を聞きかじっておくだけでも一見の価値ありだと思うな。
 お母さんに向けたジョーイの言葉もよかった。この、おマセさん。
 これはエンターテイメントであり、社会派。
 島田紳助さん好きなら、この映画も楽しめるかと思われる。

 痛快。


タイトル :
『 Thank You for Smoking 』
原作 :
クリストファー・バックリー (Christopher Buckley) / 『ニコチン・ウォーズ』(東京創元社刊)
監督 :
ジェイソン・ライトマン (Jason Reitman)
製作 :
デヴィッド・O・サックス (David O. Sacks)
製作総指揮 :
ピーター・シール (Peter Thiel)
製作主任 :
マイケル・ビューグ (Michael Beugg)
イーロン・マスク (Elon Musk)
マックス・レヴチン (Max Levchin)
エドワード・R・プレスマン (Edward R. Pressman)
ジョン・シュミット (John Schmidt)
アレッサンドロ・ケイモン (Alessandro Camon)
マイケル・ビューグ (Michael Beugg)
脚本 :
ジェイソン・ライトマン (Jason Reitman)
撮影 :
ジェームズ・ウィテカー (James Whitaker)
美術 :
スティーヴ・サクラド (Steve Saklad)
衣装 :
ダニー・グリッカー (Danny Glicker)
編集 :
デーナ・E・グローバーマン (Dana E. Glauberman)
音楽 :
ロルフ・ケント (Rolfe Kent)
音楽監修 :
ピーター・アフターマン (Peter Afterman)
マーガレット・イェン (Margaret Yen)
出演 :
アーロン・エッカート (Aaron Eckhart) / ニック・ネイラー (Nick Naylor)
キャメロン・ブライト (Cameron Bright) / ジョーイ・ネイラー (Joey Naylor)
ケイティ・ホームズ (Katie Holmes) / ヘザー・ホロウェイ (Heather Holloway)
ウィリアム・H・メイシー (William H. Macy) / フィニスター上院議員 (Senator Ortolan Finistirre)
J・K・シモンズ (J.K. Simmons) / BR (BR)
ロバート・デュヴァル (Robert Duvall) / キャプテン (Captain)
マリア・ベロ (Maria Bello) / ポリー・ベイリー (Polly Bailey)
デヴィッド・ケックナー (David Koechner) / ボビー・ジェイ・ブリス (Bobby Jay Bliss)
ロブ・ロウ (Rob Lowe) / ジェフ・マゴール (Jeff Megall)
アダム・ブロディ (Adam Brody) / ジャック・バイン (Jack)
サム・エリオット (Sam Elliott) / ローン・ラッチ (Lorne Lutch)

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