- 監督 :
- ティム・バートン
- 特に目立つ人たち :
- ジョニー・デップ
- ヘレナ・ボナム=カーター
- アラン・リックマン
- おれが観たあらすじ :
- 歌って踊れるイカレた連続殺人者。生き甲斐である妻が奪われたのち、やがて彼女は毒を飲み、娘は養女とされた理髪師の復讐劇。ミュージカル調で描かれる連続殺人。
ジョニー・デップ主演、最新作と思いきや、『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』のほうがあとだったらしい。
でも DVD として出たのって、こっちのほうがあとじゃないの?
まあどっちでもいいけど、ジョニー・デップ主演作品。
いらっしゃいませ。
そして、永遠にさようなら。
『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』観賞履歴 & 感想のまとめ。
- こちらこそ。
──── つまんね。
なんだこれ。
ジョニー・デップ主演で、しかもイカレた殺人鬼の話で思いっきり期待してたのに、なんだよこれ。期待はずれもいいとこだ。
パッケージのジョニー・デップだって、特殊メイクに映えてかなり独特な不気味さ出てていい感じだったのに。
これがティム・バートン監督の世界?
ティム・バートン監督って、ミュージカルファンなのか?
ただジョニー・デップ人気にあやかろうとしたんじゃ?
っつーか、わざわざ映画にするようなもの?
舞台でいんじゃね?
舞台じゃさすがに、あんな大掛かりなセットが作れないから? 映画っていう興行とジョニー・デップっていう名前で資金稼いだ?
おれにはちょっと受け入れがたいっすね、この世界は。
まず、おれはミュージカルが大嫌い。
でも、ジョニー・デップが主演だから、ずっと我慢して観た。観たよ、最後まで。
でも、なにがどうして、この有様さ。
映画じゃなきゃできない効果や演出とかっていうのもある気はするけど、うっとうしい。
普通にしゃべってくれ。
お願いだから、普通にしゃべってくれ。
『世界中がアイ・ラヴ・ユー』か。
最初っからもう愕然となったもんな。これじゃ “ 世界中にユー・ラブ・ミー? ” だぜ。
まま、これが演出なんだろうとも思う。
生きた人間の首を次々とかっ切っていくシーンでも、殺した人間を穴に落とすシーンでも、その残虐さとは裏腹に、いずれのときも歌に合わせてジョニー・デップがカミソリの刃を無表情に滑らせる。
残酷なことを無表情で、かつ歌いながらなんて、むしろ楽しげな空気のなかで行うという復讐の盲目さを演出してんだろうかなと。
それぐらい妻のルーシーを愛し、娘のアンジェラを愛していたということか。深い傷を負ったんだな。
残酷さを残酷と映さない。本当に愛した人を映さない。嘘を真実として騙る。
嘘。偽り。嫉妬。隠蔽。
この映画のすべてに歪みと皮肉が盛り込まれてる。
深読みしすぎかなと思うけど、それぐらいはあってほしい。
だからこそ、ミュージカルじゃなくて、重みのある言葉でやり取りしてほしかったな。
ミュージカルにするんでも、もっと印象に残るような『ハイスクール・ミュージカル』みたいに素晴らしい歌ならまだしも、どうも気持ち悪い。ノリきれてないヒップホップみたいなリズムで、無理やり感が払拭できず。自由さのないジャズみたい。
そして、そんなやり取りがくどいのも観てて飽きてくる。
精神的に疲れた。
自分のための “ スウィーニー・トッド ” 豆知識
- スウィーニー・トッド(Sweeney Todd)は19世紀中頃の様々なイギリスの怪奇小説に登場する架空の連続殺人者であり、悪役の理髪師である。
シナリオはいいと思う。この展開はいい。おもしろい。
こないだ観た『オールドボーイ』的な雰囲気があって、ただの復讐劇に終わらず、最終的な見所も残されてる。かるい伏線。
とはいえ、それも読めてしまうけど。
とにかく、演出。演出だよ。
もしかして脚本の段階から、“ (ここは歌って) ” とか台詞の横っちょのほうに書いてたのか?
……歌うな。歌わないでくれよ。
まことしやかに残念。
歌われると、その言葉の表情が歌によってかき消されてしまうのだよ。
言葉は響きで音符かもしらんけど、表情は、音符じゃないものでおれに響いてくるものなの。感情や気持ちは、五線譜の上じゃ音程が足りないのだよ。
言葉はあくまで言葉で伝えてほしいのです。
そうしたら、ジョニー・デップのそこはかとない深みと独特のほの暗さで、もっともっと凄みのきいた映画になったことと思う。
演出過剰。
むしろ、ティム・バートン監督のほうが、自分の名前と手腕に酔ってるのかもな。
そういえば、ティム・バートン監督とジョニー・デップって、あの『チャーリーとチョコレート工場』の組み合わせだったようだ。
基本的に、監督には興味のないおれとしては、調べてみないとこのへんはわからない。
『チャーリーとチョコレート工場』はよかった。うん、たいへんおもしろかった。ジョニー・デップの独特な個性もギラッギラに光ってた。
あっちもほぼミュージカルかってなぐらい歌いに歌いまくってたけど、あっちの音楽はよかった。映画の内容にマッチして、歌自体もおもしろかったのと、歌やその舞台にも演出がかかってたから。
ただこちらのほうは、歌は歌のまま。台詞、登場人物の感情を歌にしただけなのだな。
歌と内容がバラバラ。曲調とかテンポとか内容とか、なんかかんかマッチしてるのかもしれないけど、なんとなく映画から浮いてるような気がす。
だったらおれは、オペラを観る。
なぜ引き受けたんだ?
『チャーリーとチョコレート工場』ならまだしも、この『スウィーニー・トッド』では、歌う必要性が、まるでないじゃない。
なぜ?
ギャランティーノ大噴火?
それとも、『シザーハンズ』で爆裂有名にしてもらった恩で断れなかった?
いやいや、もはやジョニー・デップのほうがお世話してると思うぞ?
あ、アンソニー? アントニー?
とりあえずアンソニー役のジェイミー・キャンベル・バウアー、ゲロ男前。ゲロ美男子。
いいっすねぇ~、こういうきれいなイケメンさんが映画界を支えてるんでございますな!!
おっ、素敵っす。
きっと、観る人、見方、視点、あらゆる点で違うんだろうけど、おれとしては、歌が、この映画の雰囲気をぶち壊したな。
2点。
ちなみに、この点数は、ジョニー・デップが主演で、ジョニー・デップの歌声が聞けたっていうのに1点ずつ。
残念。
本当に、残念。
本当に、悲しい。
そしてあの結末では、もううんざり。
キャスト詳細情報
- 原題 :
- 『 Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street 』
- 『 Sweeney Todd 』
- 原作 :
- スティーヴン・ソンドハイム (Stephen Sondheim)
- ヒュー・ウィーラー (Hugh Wheeler)
- 監督 :
- ティム・バートン (Tim Burton)
- 製作 :
- リチャード・D・ザナック (Richard D. Zanuck)
- ウォルター・パークス (Walter F. Parkes)
- ローリー・マクドナルド (Laurie MacDonald)
- ジョン・ローガン (John Logan)
- 製作総指揮 :
- パトリック・マコーミック (Patrick McCormick)
- 脚本 :
- ジョン・ローガン (John Logan)
- 撮影 :
- ダリウス・ウォルスキー (Dariusz Wolski)
- 衣装デザイン :
- コリーン・アトウッド (Colleen Atwood)
- 編集 :
- クリス・レベンゾン (Chris Lebenzon)
- 音楽 :
- スティーヴン・ソンドハイム (Stephen Sondheim)
- 出演 :
- ジョニー・デップ (Johnny Depp) / スウィーニー・トッド (Sweeney Todd)
- ヘレナ・ボナム=カーター (Helena Bonham Carter) / ミセス・ラベット (Mrs. Lovett)
- アラン・リックマン (Alan Rickman) / ターピン判事 (Judge Turpin)
- ティモシー・スポール (Timothy Spall) / バムフォード (Beadle)
- サシャ・バロン・コーエン (Sacha Baron Cohen) / ピレリ (Pirelli)
- エド・サンダース (Ed Sanders) / トビー (Toby)
- ジェイミー・キャンベル・バウアー (Jamie Campbell Bower) / アンソニー (Anthony)
- ローラ・ミシェル・ケリー (Laura Michelle Kelly)
- ジェイン・ワイズナー (Jayne Wisener) / ジョアナ (Johanna)
- 新 : 『八人の英雄(ヒーロー)』(八大豪侠 / EIGHT HEROES) / バリー・ウォン、チン・シウトン、エディソン・チャン、アンソニー・ウォン、ルー・イー、ラム・チーチョン、リー・ビンビン、ファン・ビンビン、チェン・シャオトン、ダミアン・ラウ、ドン・シュエン、リー・シャオルー
- 古 : 『リトル・ミス・サンシャイン』(Little Miss Sunshine) / グレッグ・キニア、トニ・コレット、スティーヴ・カレル、アビゲイル・ブレスリン